祭竒洞

姑らく妄りに之を志す。

『新版 ヴィイ調査ノート』頒布等のお知らせ

長らく放置して、思い出したように再起動する。
それがこのblogの良いところ。
本年もよろしくお願いいたします。

ヴィイ調査ノート』のさらなるバージョンアップを行いましたので、
遅ればせながらご連絡いたします。
過去の『ヴィイ調査ノート』(初版・増補改訂版)については過去のエントリ参照ですが、ざっくりと説明いたしますと、

◎ロシアの文豪ゴーゴリ怪奇小説ヴィイ」。水木しげるの漫画「異形の者」
 「死人つき」の翻案元であり、一部でカルトな人気を誇るソ連映画
 「妖婆 死棺の呪い」(別題:魔女伝説ヴィー)の原作でもあるこの作品に
 登場する魔物がヴィイである。
 近年もロシアの映画「レジェンド・オブ・ヴィー 妖怪村と秘密の棺」に
 ヴィイが登場している。

ヴィイは地面までつくほど長いまぶたを持ち、そのまぶたの奥に隠された目は
 普通の魔物が見ることが出来ない結界をも見通すことが出来る。
 ゴーゴリは、この題材を民話からそのまま取った、としている。

◎識者の間では、この魔物はゴーゴリの創作であり民話そのものには登場しない、
 という意見が優勢であるが、ゴーゴリの故郷であり「ヴィイ」の舞台でもある
 ウクライナを中心に、ヴィイを髣髴とさせる伝承が数々残されている。
 また、スラヴ古代の神こそがヴィイの源泉である、という説もある。
 ヴィイの背景には一体何がいるのか。

◎一方、日本では昭和の妖怪図鑑ブームの中で世界の妖怪が取り上げられ、
 ヴィイも様々な外見でそこに登場する。
 その描かれ方は大きく分けて概ね三つの系統があった。
 こうした図鑑などの影響下で、漫画やゲームにもヴィイは登場する。

◎妖怪を語る上で欠かせない漫画家・水木しげるも漫画や図鑑にヴィイ
 登場させるが、その姿にも媒体・時期によってバリエーションがあった。
 その理由とは。

ヴィイの正体と日本での広がりに迫る、(多分)超絶(おそらく)怒涛、
 一冊丸ごとヴィイの本!
ソビエト・ロシアでは、妖怪があなたをウォッチする!」


というような感じの同人誌でした。

その後、更にさらに情報が集まってきたため、新版として改訂いたしました。

前回から進歩、変化した具体的な内容についていくつか説明。

 ◎表紙をイワン・ビリービン調に加工。
  熊倉隆敏先生による過去の版の表紙絵は口絵として完全収録。

 ◎「ヴィイ」に関する映画についての記述を充実。
  なんと帝政ロシア時代に?

 ◎前回までは一応「事実の羅列」を中心にしてきましたが、
  今回は多少論理構成を重視した記載になっております。
  後世の踏み台として。

 ◎図版を8点追加。

 ◎「ヴィイ」の翻案として有名な水木しげるの漫画「死人つき」。
  妖怪のミイラの写真んが話の一つのキーとなっていますが、
  そこには一つの謎がありまして……というお話を注釈に記載。


などなど。

ページ数は前回からさらに増えて168ページ(+口絵2ページ)!
頒布価格1,500円です。

先般の冬コミC93三日目で頒布したのですが、こちらでの告知はすっかり忘れておりました。
こちらで通販してます。

甚だ簡単ではございますが、以上です。
思い出したら追記します。