祭竒洞

姑らく妄りに之を志す。

『新版 ヴィイ調査ノート』通販について

分かりやすいようにひとまず一番上に。
ウクライナ・ロシア妖怪ヴィイを調べ倒した同人誌『新版 ヴィイ調査ノート』(内容はこのエントリ参照)は現在のところ、即売会および鳥取市内にある定有堂さんに数冊置いて頂いている分を除いてはジカ通販のみで取り扱っております。
自家通販かつ直通販。


手順としては以下のとおりです。
 1:メールにて御連絡頂く
 2:事務的なやり取りなど
 3:不思議な力により本が届く

まずはメールタイトルを "『ヴィイ調査ノート』通販希望" とし、希望冊数を記載の上、
 jichinsai雑gmail.com の雑を@に変えたアドレスに御連絡ください。

 *なお、メール送付後一週間経過しても返信がない場合、
  フィルター等で届いていない可能性がありますので、
  お手数ですがこの記事にコメントを頂きたく、よろしくお願いいたします。
  メールをうまく送れない場合もこの記事にコメントを下さい。

基本的な料金は、諸々の代金(梱包、送料等)込みで一冊1,800円とさせていただきます。
ご了承ください。
また、振込手数料が発生する場合はご負担をお願いしたく、よろしくお願いいたします。

なお、家内制手工業で作業を行っているうえ、世を忍ぶ仮の本業や世を忍ぶ仮の日常生活などもあるため、事務作業や返信には御連絡を頂いてから多少時間がかかる予定です。
あしからずご了承ください。


【H28.08.23追記】
在庫僅少となったため、通販は終了とさせて頂きます。
もしも再販等の場合はまたこちらで告知いたします。

【H30.01.06追記】
在庫がパワーアップして復活しました。
新版の発行に伴い、増補改訂版 → 新版 へと記述を変更。

『新版 ヴィイ調査ノート』頒布等のお知らせ

長らく放置して、思い出したように再起動する。
それがこのblogの良いところ。
本年もよろしくお願いいたします。

ヴィイ調査ノート』のさらなるバージョンアップを行いましたので、
遅ればせながらご連絡いたします。
過去の『ヴィイ調査ノート』(初版・増補改訂版)については過去のエントリ参照ですが、ざっくりと説明いたしますと、

◎ロシアの文豪ゴーゴリ怪奇小説ヴィイ」。水木しげるの漫画「異形の者」
 「死人つき」の翻案元であり、一部でカルトな人気を誇るソ連映画
 「妖婆 死棺の呪い」(別題:魔女伝説ヴィー)の原作でもあるこの作品に
 登場する魔物がヴィイである。
 近年もロシアの映画「レジェンド・オブ・ヴィー 妖怪村と秘密の棺」に
 ヴィイが登場している。

ヴィイは地面までつくほど長いまぶたを持ち、そのまぶたの奥に隠された目は
 普通の魔物が見ることが出来ない結界をも見通すことが出来る。
 ゴーゴリは、この題材を民話からそのまま取った、としている。

◎識者の間では、この魔物はゴーゴリの創作であり民話そのものには登場しない、
 という意見が優勢であるが、ゴーゴリの故郷であり「ヴィイ」の舞台でもある
 ウクライナを中心に、ヴィイを髣髴とさせる伝承が数々残されている。
 また、スラヴ古代の神こそがヴィイの源泉である、という説もある。
 ヴィイの背景には一体何がいるのか。

◎一方、日本では昭和の妖怪図鑑ブームの中で世界の妖怪が取り上げられ、
 ヴィイも様々な外見でそこに登場する。
 その描かれ方は大きく分けて概ね三つの系統があった。
 こうした図鑑などの影響下で、漫画やゲームにもヴィイは登場する。

◎妖怪を語る上で欠かせない漫画家・水木しげるも漫画や図鑑にヴィイ
 登場させるが、その姿にも媒体・時期によってバリエーションがあった。
 その理由とは。

ヴィイの正体と日本での広がりに迫る、(多分)超絶(おそらく)怒涛、
 一冊丸ごとヴィイの本!
ソビエト・ロシアでは、妖怪があなたをウォッチする!」


というような感じの同人誌でした。

その後、更にさらに情報が集まってきたため、新版として改訂いたしました。

前回から進歩、変化した具体的な内容についていくつか説明。

 ◎表紙をイワン・ビリービン調に加工。
  熊倉隆敏先生による過去の版の表紙絵は口絵として完全収録。

 ◎「ヴィイ」に関する映画についての記述を充実。
  なんと帝政ロシア時代に?

 ◎前回までは一応「事実の羅列」を中心にしてきましたが、
  今回は多少論理構成を重視した記載になっております。
  後世の踏み台として。

 ◎図版を8点追加。

 ◎「ヴィイ」の翻案として有名な水木しげるの漫画「死人つき」。
  妖怪のミイラの写真んが話の一つのキーとなっていますが、
  そこには一つの謎がありまして……というお話を注釈に記載。


などなど。

ページ数は前回からさらに増えて168ページ(+口絵2ページ)!
頒布価格1,500円です。

先般の冬コミC93三日目で頒布したのですが、こちらでの告知はすっかり忘れておりました。
こちらで通販してます。

甚だ簡単ではございますが、以上です。
思い出したら追記します。

『増補改訂版 ヴィイ調査ノート』を倒すための御題いくつか

『増補改訂版 ヴィイ調査ノート』(内容はこのエントリ参照)につき、補遺の作成後に集まった情報などを含め、未解決の問題などを雑多に記載しておきます。
メモなので読みづらいかと思いますがご容赦ください。
どなたかにこれらを調査して頂き、ヴィイ本が「日本でいちばんくわしい」の座から引きずり降ろされることを切望しております。
なお章立ては本編に従っています。

〜〜〜〜〜〜

0
ヴィイの映画化について。

2014年のロシア映画ヴィイ3D」は2015年に「レジェンド・オブ・ヴィー 妖怪村と秘密の棺」という邦題でDVD化、株式会社トランスフォーマーより発売。
(販売版は英語+字幕。レンタル版は吹き替え?)
http://www.transformer.co.jp/products/TMSS_315.html

また8月8日からの1週間、京都みなみ会館で単館上映。
http://kyoto-minamikaikan.jp/archives/21870

字幕版での言語が英語であることから、日本語版は英語版が元になっていると思われる。
(ロシアには映像作品等の輸出規制があるとの情報あり、その関係か?)
なおロシア語版に比べて日本語版は内容が一部カット、またラストシーンが付け加わっているが、英語版での変更か日本独自の変更かは不明。
このあたりについて正確な情報を調査、整理する。

〜〜〜
上記映画の続編「ヴィイ2 中国への旅」にヴィイが出てくるのかどうかを確認する。

〜〜〜
ヴィイ本に書いたヴィイが原作の映画「血ぬられた墓標」「妖婆 死棺の呪い」「デモンズ5」「Sveto mesto」「Ведьма」「レジェンド・オブ・ヴィー」を見比べたら面白いのでは。

〜〜〜
20世紀初頭の1909年、1916年にヴィイが映像化されていたらしい、という情報あり、詳細を知りたい。ロシア帝国時代なのでフィルムなんぞ残ってないかと思いますが、スチールか概要の分かる文章だけでも。1909年版はワシリー・ゴンチャロフ監督、1916年版はウラジスラフ・スタレーヴィチ監督のようです。


I
全体的には、ウクライナおよびロシアなど現地、あるいはアメリカなど進んでそうな国の研究を掘ればヴィイ本でノータッチの部分が出てくるのではないか。

個別具体で言うと

ブニャク/ブニオについて(どうでもいいけどフニャコフニャ夫っぽい)は、遊牧民のリーダーが妖怪なり吸血鬼になるまでの過程をもう少し詳細に調査できると良い。
また、ゴーゴリがブニャクのことをどの程度知っていたか、ゴーゴリの創作ノート等が調べられないか。

p8 ソロディヴィイ・ブニオが滅ぼした町があったボホト(Бохот)はボヒト(Бохит)では?
ロシア語wikipediaにもあるけど、何らかの聖地っぽい。
ここについて伝承を拾うと、何か見つかるかも。

p19 王女が巨大に育てた蚤の正体をまぶたを持ち上げさせたブニャクが見破っている。
ロシア近辺に類似の民話が複数あることを確認したが、
この場合見破る(ブニャクの役目をする)のは悪魔であり、まぶたを持ち上げるくだりはない。
見破られるのは巨大に育てた蚤の皮。
ブニャクと悪魔が類似品のようであるが、類似の民話をもう少し拾えば何かわかるのでは?

〜〜〜
聖カシヤーン(p27〜)については、民話キャラとして、魔物として、中でも邪視を持つ魔物として、という3段階で、きっちり分けて考える必要があるのかも。
何故カシヤーンが魔物化したか、というところ、そして邪視を持つとされた理由について「ロシア民俗夜話」以上に何かわかるといいな。

〜〜〜
インターネットで調べると、ヴィイが神様扱い、特にネオ・ペイガニズムの文脈でペルーンとかと並んで神々の一人として登場したりしている。そしてНий(ニィ)という神(地下の神らしいが詳細不明、インターネットでは海の神としているものもある)と 習合していたりする。
p30辺りから書いたとおりヴィイを神様とみる流れはアファナーシェフ『スラヴ人の詩的自然観』(1865)からあったけど、「流刑の神々」みたいな考え方がいつからあって、いつロシアに入り、どこに影響を与えたか。
そして、ヴィイは何故神格化され、それが今に至るまで残っているのか(俗説レベル・信仰レベル)

〜〜〜
不死身のコシチェイにも重いまぶたを持つというパターンの伝承があるとのこと。p36あたり参照。
どういう地域で、どういう形の話の中で残っているのか。

〜〜〜
吸血鬼ヴィイ(p55)についてはもうちょい調べる価値があるんじゃないだろうか?

〜〜〜
インターネットでВийで検索すると出てくる絵について、出所を確かめるだけで十分いい仕事になりそう。

〜〜〜
図版で言えば、「ヴィイ」は現地で絵本になっているのでその辺りもチェックしたい。

〜〜〜
その他、ヴィイ類似伝承についてまだまだあってもおかしくないので調べる。


II
ヴィイの翻訳を全部見比べたら面白いのでは。

〜〜〜
最初の和訳である伊吹山次郎の時点で「ヴィイ」が創作である旨意識されていた。この情報の出所はどこだったのか? 現地の全集か何か?

〜〜〜
「妖怪画談全集」のヴイーの絵の出所はどこなのか。

〜〜〜
今後新たなヴィイの絵が現れるとすればカードゲームかソシャゲあたりではないかと睨んでいるので、その辺りに目を光らせておくと良いのではないか。


III
水木しげる漫画大全集 012 貸本漫画集12異形の者他』(講談社、2015)資料ページに「異形の者」未使用コマについて書かれている。補遺で紹介したコマに加え、その直前と思われる「ごめん 一夜の宿をお願いしたい」と僧侶が声をかけるコマ、空き家を描いたコマが2コマが残っているようである。全集中には後者につき「空き家ばかりの廃村に迷い込むという設定」と書かれている。これらは「ヴィイ」の前半部分の翻案であろうと思われる。なお補遺で確認した資料では「やまんば」を「妖婆」と書いているが、全集資料中の同コマでは(「異形の者」本編と同じく)「妖姥」としているなど、植字部分にやや違いがある。この詳細について。また全集では「この段階では舞台は越後ではなく、下北であった可能性が高い。」と書かれているが、そうであるとすれば妙智寺の人魚のミイラ写真を見たことが翻案のきっかけではないということか? 「異形の者」には「一葉の妖怪のミイラの写真からこの物語を想像してみたのです。」と書かれている。

〜〜〜
水木全集で書かれるまで気にしていなかったが、「死人つき」発表と「妖婆〜」製作は同年である。何か連動するようなきっかけがあったのか(多分ない)

〜〜〜
埴谷雄高武田泰淳ヴィイに喩える文章を書いている。また武田泰淳は「異形の者」というタイトルの小説を書いている。そしてそれらよりも後に水木しげるが「ヴィイ」を翻案した「異形の者」を描いている。武田泰淳の「異形の者」が僧侶の話であることも含め、何か関係があるか。

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思いついたら追記します。

水木しげる「錬金術」 の元ネタについて雑記

思えば自分にはブログがあった、ということでこちらで公開。


水木しげる錬金術
・初出は1967年04月の『ガロ』*1
ねずみ男扮する丹角に騙されて「猫の頭などを金に変える方法」を追い求める家族を描いた話
・12ページで当時小学生だった私の人生観をみごとにひん曲げたド名作なので読むべし。


錬金術」の作中には錬金術の方法として「無上九還丹の秘法」、「唐土伝来の「もがりの術」」が登場するが、滝沢馬琴『近世説美少年録』第二十六回にある偽修験者・舌兪道人の偽錬金術の話の中にそれらの単語がある。

「扠(さて)も件の一方ハ無上九還丹(むじゃうきうくわんたん)と名つけたり是則唐山(からくに)なる道士丹客(たんかく)の傳法にて我先祖渡唐の日傳授せられし神訣也且(まづ)かの法に遵(したがつ)て十両の金を煉取らんと欲するときは(以下略、一両の黄金に九両の黄銅(しんちう)と汞(みづかね)、藥種を加えて煉る云々。銀についても同様に説明。)」

上記をすぐに実践して見せ、それらを火にかけて煉ったものが黄金になった――とするが、直後に地の文でこれがトリックである旨説明。

「誰か知るへき此ハこれ縮金の法にして一両の黄金を縮めて粟粒ばかりにせしに黄銅(しんちう)汞(みづかね)藥種を加えて稍久しく煉る期ハ其黄銅と汞は盡く消失て那縮金のみふくだみていと大きくなる也便是(すなわちこれ)騙賊(もがり)の術にて其黄金の殖(ふゆる)にあらず形の大きくなるのみなりしを愚俗多くハ瞞(くらま)されて實に金の殖(ふえ)たる也と思ハざるものあるを稀也今大夫次もかの類にて(以下略)」*2

なお前後のあらすじはよろめき亭(http://www5b.biglobe.ne.jp/~bakin/index.html)さんによる第二十六回(http://www5b.biglobe.ne.jp/~bakin/kinsei/arasuji/vol3.html#st-26)あたりを参照していただきたい。


・「錬金術」と『近世説〜』いずれも術により黄金が生み出せる(『近世説〜』の場合、正確には増やせる)と騙される話である。

・「騙賊(もがり)の術」は原文では錬金術の名前ではなく、騙しの方法、といった意味。

 「もがる」には「言いがかりをつけて金品をねだる。ゆする。たかる。」の意味がある*3
 唐土伝来、とは書かれていないが、この話の錬金術自体が唐土のものということになっている。

・「錬金術」に「よく世の中にふところ手しながら遊んで暮らす奴がいるだろう あれはみんな祖先が鍛金、錬銀の秘法」を発見したからなんだ」という台詞があるが、『近世説〜』の偽修験者も温泉地で豪遊し、理由を尋ねると「先祖に渡唐のものありて煅金煉銀の一法を傳えたりよりて黄白(きんぎん)に富(とめ)るのみ」と返す。

・また、「近世説〜」の錬金術は「唐山(からくに)なる道士丹客の伝法」であるが、これは字は違えど「錬金術」に登場する丹角と同じ「たんかく」という読みである。

以上のことから『近世説美少年録』が「錬金術」の元ネタであろう、というお話。
(H26/12/15追記:ふしぎあんさんから、「直接原典を参考にしたのではなく、近世説美少年録を参考にした忍者小説とか歌舞伎辺りを孫引きした可能性もなきにしもあらず」とのご指摘を頂きました。そうかもしれない。)


ついでに、『近世説美少年録』のこのくだりの更に元ネタは、おそらく『初刻拍案驚奇』巻十八「丹客半黍九還 富翁千金一笑」*4か、その再録っぽい『今古奇観』第三十三巻「誇妙術丹客提金」*5と思われる。
『今古奇観』はどうやら『初刻拍案驚奇』などからの抄録のようなので、タイトルを除きほぼ同じと思われる。
両者の訳*6 *7を当たってみたところ、内容としてはほぼ違いがなかった。*8

これらの話では、丹客が金持ちを騙す話になっている模様。
馬琴はこれを踏まえて錬金術を「唐山(からくに)なる道士丹客の伝法」としているようである。
金持ちに見せかける冒頭部、最初のトリック(縮銀の法)から始まり、馬琴の該当部と筋が同じであるため、このエピソードがほぼ完全な下敷きと考えられる。
これは前述の訳文が載っている本の解説にも明記されている。

「九還丹」は登場するが、「無上」はつかず、また「騙賊」という表現は原文に登場しないなどの理由から、水木がこちらを直接参照した可能性は低い。

「丹客」は訳ではいずれも「錬金師」となっているため、人名でなく錬金術師という程度の意味に取って良いと思われる。
馬琴が「道士丹客」の丹客を人名として扱ったのか、道士・丹客という並列として書いているのかは不明。
水木はこれを前述のように文字を変えて人名としている。

更に更にこれらの元ネタ(?)は
・『剪桐載筆』に載する王象晋「丹客記」
・馮夢龍『智嚢補』巻二十七「丹客」(同『古今譚概』第二十一譎智部「丹客」もほぼ同内容)
とのこと。


今後の気になる点
・「四精七体の粉末」等、他の部分は水木のオリジナルかどうか 、別の元ネタがあるか(あるいは自分が見落としているだけで『近世説〜』にあるのか)
・水木が参照した文献はどれか(あの時期手軽に入手できる本で『近世説美少年録』、すくなくとも該当部分の抜粋が載っていたのは?)
・(H26/12/15追記)↑に関連して、水木が参照した文献は本当に『近世説美少年録』だったのか、あるいはそれを引用した何かなのか。
 

*1:水木しげる作品不完全リスト」(http://www.lares.dti.ne.jp/hisadome/mizuki_2.html)より

*2:国会図書館デジタルコレクション 『近世説美少年録』(銀花堂、明治20年)(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/878361)の181枚目(345P)より引用。

*3:goo辞書「もがる」(http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/218821/m0u/%E3%82%82%E3%81%8C%E3%82%8B/

*4:『初刻拍案驚奇』巻十八「丹客半黍九還 富翁千金一笑」(http://open-lit.com/listbook.php?cid=18&gbid=92&bid=3687&start=0

*5:『今古奇観』第三十三巻「誇妙術丹客提金」(http://open-lit.com/listbook.php?cid=33&gbid=121&bid=5616&start=0

*6:「丹客半黍九還 富翁千金一笑」…『中国文学大系 : 全訳. 第1集 第16巻』(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1663529)中の「錬金師の愛妾」

*7:「誇妙術丹客提金」…『今古奇観 : 明代短編小説選集』(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1674656)中の「妙術を誇して 丹客 金を提ること」

*8:なお『中国千一夜』(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1670701)に「仙薬」として訳されているとのこと、未見。

『増補改訂版 ヴィイ調査ノート』第二版頒布のお知らせ

【H26.12.02追記】
遅くなりましたがコミティアXありがとうございました。
通販についてはこの記事をご参照ください。


【以上追記、以下本文】

Trick or Treat! (「うむ、祟りを鎮めるには生け贄しかあるまい……」の意)

11月23日のコミティアX-4にて、『増補改訂版 ヴィイ調査ノート』(内容はこちらこちらの記事参照)の第2版(改訂内容は前記事参照)を頒布いたします。相変わらず「しかま家」さんに間借りして頒布させていただく次第。

◎日  時 : 2014年11月23日(日)10:00〜16:00
◎場  所 : 東京ビッグサイト 東6ホール
◎イベント : コミティアX-4(コミティア110と同時開催)
◎サークル : しかま家
◎スペース : X407

コミティアXは通常のような机と椅子のブースではなく、かなり自由な感じでブース設計できるので、今回は畳と座布団をメインに、ヴィイ資料(調べるのに使った論文や妖怪図鑑のヴィイのページなどのコピー)を持っていきます。
なお、資料の量は80mm幅と50mm幅のファイルがほぼ一杯になる程度です。


「しかま家」ブースでは、くまみさんのナメクジテレポート資料も持ってこられるそうですので、興味ある方はそちらもぜひ。

(参考)
ナメクジテレポートとは?:ナメクジが空間転移するという現象。瞬間移動ではなくじんわり時間がかかるのがポイント。昭和の子供向けオカルト本などで取り上げられていたので、一部の世代の一部の人には妙に知名度が高い、らしい。
しかし、子供向け本に適当にでっち上げたわけではなく、
文献的には今のところ大正時代まで遡れるんだとか。

この辺参照:ナメクジテレポータル(http://www.hamkumas.net/hub/nt


ナメクジテレポート伝説の発生と伝播に関しては、くまみさんの「ナメクジテレポート」(続刊中)がおそらく世界一詳しいので、チラとでも興味を持った方は是非イベント等で入手してみてください。コミティアX-4に合わせて最新4巻を出す予定とのこと!

あ、通販についても再開します。
内容は前と同じですが、ごちゃごちゃと長くなりすぎたのでコミティアXが終わってから記事を書きます。

『増補改訂版 ヴィイ調査ノート』初版→第二版への主要改訂内容


初版→第二版への主要改訂内容、および補遺のPDFデータ : (改訂内容&補遺)

B5にプリントアウトして二つ折りにして本に挟むor貼付 等の遣い方を推奨しております。

なお、第二版は

◎2014年11月23日(日)
コミティアX-4
◎スペースNo.  X407
◎「しかま家」

にて頒布致します。詳細は次記事にて。


以下くだくだしい説明。

『増補改訂版 ヴィイ調査ノート』初版分があらかた売り切れてしまいました。
何人かにお渡ししなければならないので、在庫リスクに怯え慄きつつ増刷しようと再度本文を確認したところボロボロと誤りやら不足やらを発見したのと、以前から「ここ誤植じゃねぇ?」とツッコミを受けていたのと、新規情報がいくつか手に入ったので、せっかくだから中身を一部改訂した次第です。
頁数が変動するような情報は、仕方がないので補遺として別ペーパーに致しました。

ってなわけで、改訂内容および補遺内容を書き残しておきます。

以下、上記PDFと同じ文言を雑に貼りつけただけです。


『増補改訂版 ヴィイ調査ノート』初版→第二版 主要改訂内容

◎9頁下段最終行:タイプミスの訂正
 (旧)そのkなった
 (新)その元になった

◎34頁上段12行目:ロシア語をカタカナ表記に合わせ主格に訂正
 (旧)風=ヴェーテェル(ветром)
 (新)風=ヴェーテェル(ветер)

◎61頁上段9行目:表現の修正
 (旧)冒頭に書いたとおり、
 (新)2‐1に書いたとおり、

◎82頁上段10行目:出典の追記
 (旧)(鳥取縣圖書館協會、一九五一)
 (新)(鳥取縣圖書館協會、一九五一 牧野出版社より一九七四に復刻)

◎82頁下段5行目:内容の一部修正(復刻版が出典の可能性を考慮)
 (旧) 水木がほぼ同内容の短編の題名を変えることは珍しくないが(中略)
    それにちなんだものではないか、と推測できる。
     ただし同書をいつ水木が入手したかは不明である ため、前述の説は
    あくまで推測の域を出ない。
 (新) 仮に水木が復刻版ではなく原書を「死人つき」執筆以前に入手して
    いたとすれば、以下の推測が可能である。
     水木がほぼ同内容の短編の題名を変えることは珍しくないが(中略)
    それにちなんだものではないか。
     根拠の薄い推測ではあるが、念のため記載しておく。

◎85頁上段最終行:
 (旧)『Вий』(一九六七、モスフィルム)
 (新)アレクサンドル・プトゥシコ総監督『妖婆 死棺の呪い
    (アイ・ヴィー・シー、二〇一三)

◎101頁下段7行目:
 (旧)土の中のおじいさん
 (新)土のなかのおじいさん

◎104頁上段最終行:
 (旧)ただしここでの掲載が初出であるかは確認が取れていない。
 (新)初出であることを『ゲゲゲの鬼太郎TVアニメDVDマガジン』
    第1巻第2号(講談社、二〇一三)にて確認した。

◎129頁〜:
 (追加)荻原直正編著『因伯傳説集』(牧野出版社、一九七四) ※ 復刻本
     『ゲゲゲの鬼太郎TVアニメDVDマガジン』第1巻第2号
      講談社、二〇一三

◎143頁 XANO明朝
 (修正)白髪増量中 (http://www.asahi-net.or.jp/~sd5a-ucd/



※改行位置他、ごく軽微な改訂については、記載を割愛した。

『増補改訂版 ヴィイ調査ノート』 第二版 補遺

II
平田弘史の漫画「おれたちは生き苦しいのだ」(『平田弘史のお父さん物語』に収録、初出…『週刊少年キング』一九七一年第53号、少年画報社)は時代劇であるが、ストーリーの一部に「ヴィイ」が取り入れられていると見られる。魔物が夜毎に主人公を襲うが、しめなわの輪の中には入ることができず夜明けの鐘が鳴ると逃げ帰る、最後には夜明けを迎えてしまったため壁や地面にはりつき、めりこんでしまう、といった類似点があるが、魔女やヴィイに当たるものは登場しない。

III
水木しげる「異形の者」および「死人つき」は「ヴィイ」の後半、三晩の祈祷の部分を翻案・漫画化しているが、『水木しげる叢書別巻3 水木しげる単行本未収録作品集1』(籠目舎、一九九一)(奥付等がないため、書誌情報は基本的に平林重雄『水木しげると鬼太郎変遷史』(YMブックス、二〇〇七)に依った)に、それらの漫画では省略されている「ヴィイ」前半部を翻案漫画化したと思しきコマが3コマ収録されている。
・旅の僧と思われる青年があばら家に向かって「ごめん下さい」と声をかけるコマ
・小屋の中から覗く(おそらく)老婆に僧が「おそれ入ります?」と話しかけ、
老婆が無言「……………………」で応じるコマ
・老婆が僧の肩に乗り、僧が汗をかきながら「こいつひょっとしたら下北の伝説に
ある「「妖婆(やまんば)」かな?」「「妖婆」だとすれば」と考えるコマ
同書には「映画通のファンなら、この場面を見ただけであるソ連映画を想い出すはず。「妖婆死棺の呪い(ヴィー)」 奇才水木しげるの手によって完全劇画化!」と書かれているが、その他の情報がなく、書かれた時期や他に原稿が残っているのかは不明である(平林前掲書に依れば未発表原稿)。なお「妖婆」という表現は水木が参考にしたと思しき原卓也訳でも同様の場面で用いられており、映画との先後を決める根拠にはならない。
主人公の僧が「死人つき」のような少年ではなく「異形の者」と同様青年であることから、もともと「異形の者」の一部であった可能性が考えられる。ただし「異形の者」の僧は伝説などを信じないキャラクターとして描かれているため、怪異に対するスタンスが3コマ目の発言と異なる。
現状詳細は不明であるが、今後新たな資料が出てくることを期待したい。

参考資料
平田弘史平田弘史のお父さん物語』(青林工藝舎、二〇〇五)
平林重雄『水木しげると鬼太郎変遷史』(YMブックス、二〇〇七)
水木しげる水木しげる叢書別巻3 水木しげる単行本未収録作品集1』(籠目舎、一九九一)


※ 本編内、国外の参考文献(134頁〜)はイ、ロ、ハ……と続くところ、
ソ の後が ケ となり、順番が飛んでいる。
誤りであるが、大勢に影響がないこと、訂正すると却って初版との整合に混乱を生ずる可能性があることから、訂正は行わない。

『増補改訂版 ヴィイ調査ノート』頒布のお知らせ

【H26.08.31追記】
コミティアありがとうございました。
在庫僅少となったため、通販は終了とさせて頂きます。
再販等の場合はまたこちらからご連絡いたします。


【H26.08.19追記】
夏コミありがとうございました。
次は8/31のコミティアでお会いしましょう。

【以上追記、以下本文】


厳しい日差しに夏の本格的到来を感じます。
毎日暑い日が続いておりますが、体調など崩されていませんでしょうか。

さて。
四月莫迦時点では出るや出ざるや曖昧模糊としていた同人誌が
お蔭様でどうにか無事に出ることと相成りました。

内容については前エントリ参照。
前回からページ数が倍増しているのもさることながら、内容も更に濃厚、
誰得領域に片足突っ込んだどころか肩まで浸かった代物になっております。
……自賛と自虐を兼ねていて何ともですが、本当なんだから仕方ない。

そしてなんと今回も熊倉隆敏さんに表紙を描いていただくという快挙。
本当にありがたい限りです。


◎題  名 : 『増補改訂版 ヴィイ調査ノート
         ――ウクライナ・ロシア妖怪茶話』
◎判  型 : A5判
◎頁  数 : 144頁
◎頒  価 : 1,500円
◎特記事項 : 表紙フルカラー・巻頭カラー口絵アリ


初出しは夏コミの予定です。

◎日  時 : 2014年8月17日(日)10:00〜16:00
◎場  所 : 東京ビッグサイト 東4,5,6ホール
◎イベント : コミックマーケット89
◎サークル : しかま家
◎スペース : Q50b


以降はとりあえずコミティアでの頒布を考えております。
文フリとかも出してみたいですね、手に取っていただけるかは知りませんが。

どうせそうそう売れるものでもないのでのんびり頒布するつもりですし、
夏コミは無理に来るようなところじゃありませんが、
もしも御用があれば、ついでにでも寄っていただければと思います。

通販について

通販に関しては、前回と同様の自家通販となります。
また、早めに注文していただいても、コミケ後の発送となりますが、
この点はご了承ください。

手順としては以下のとおりです。
 1:メールにて御連絡頂く
 2:事務的なやり取りなど
 3:不思議な力により本が届く


まずはメールタイトルを"『ヴィイ調査ノート』通販希望"とし、希望冊数を記載の上、
 jichこinsaこi渦gmail.com の渦を@に変えたアドレスに御連絡ください。
(追記:ちょっと諸都合によりクイズ形式にしました。 ヒント:こけし

 *なお、メール送付後一週間経過しても返信がない場合、
  フィルター等で届いていない可能性がありますので、
  お手数ですがこの記事にコメントを頂きたく、よろしくお願いいたします。
  メールをうまく送れない場合もこの記事にコメントを下さい。

基本的な料金は、諸々の代金(梱包、送料等)込みで一冊1,800円とさせていただきます。
ご了承ください。
また、振込手数料が発生する場合はご負担をお願いしたく、よろしくお願いいたします。
なお、世を忍ぶ仮の本業や世を忍ぶ仮の日常生活などもあるため、事務作業や返信には
御連絡を頂いてから多少時間がかかる予定です。



以上です。